2017年夏の甲子園で僕が注目している高校・選手について紹介していきたい。
まず高校に関しては、栃木の作新学院に期待。監督は40代前半と若手ながら、チームを昨年度の夏の甲子園制覇に導き、その手腕は充分に知られている。投打のバランスが非常に良いチームで、打撃に関してはどこからでもチャンスを作り出せる打線が他チームにとって脅威だ。そんな作新学院で特に気になっている選手は、1年生夏からレギュラーとして活躍している3年生・鈴木萌斗外野手だ。2年前の甲子園で初めて見たが、興味を惹かれたきっかけは彼のベースランニング。非常にストライドが長く、僅かな歩数でベース間を駆ける彼の姿が印象的だった。50mは5秒9を記録し、公式戦での盗塁成功率100%という、実際にプレーしていた身としては何とも信じがたい成績を収めている。背丈も高く、今後更にスケールの大きい選手になることを期待してやまない。まだ予選の段階だが、作新学院は是非栃木代表として2年ぶりの夏制覇を達成してほしい。
次に選手だが、長野県・松本第一高校の川船龍星選手に注目していたが、残念ながら1回戦で敗退してしまった・・。この投手は作秋までは130km台に留まっていたストレートをMax145kmまで上げており、今後も非常に伸びしろが感じられる選手だ。こうした投手が1人いると、1点を守る野球を徹底できれば、総力が足らずとも上位まで食い込む可能性が十分出るのが高校野球の面白いところだ。
小学校から高校まで野球を続けて感じたことが1つある。それは、野球は1人では当然できないが、チームの軸は1人で作れる、ということ。特にその軸となる選手が投手だと、より上を目指せる確率が高まると思う。地区予選におけるベスト8のチームを見てみると、それが顕著に表れている。ノーシードかつ、圧倒的な打力があるわけではないチームが、何故かベスト8に残っているということが地区予選ではしばしばある。カードの組み合わせも関係しているが、そういうチームには『4番・ピッチャー』というような選手が必ず1人いる。その選手が投打の軸として活躍し、上位のチームを倒して勝ち上がるというのも高校野球の特徴だと言える。
先に述べた長野県・松本第一高校の川船龍星選手はまさにそのタイプといえる。さらに調べてみると、他の選手の成長も著しいらしく、県予選制覇も射程圏内のようだ。
個人的には地元である鹿児島県勢に頑張ってほしいところだが、果たしてどこが代表になるのか。まぁどこが代表になろうが、甲子園に駆けつけて応援するつもりだ。どの選手も一生懸命、生き生きとプレーをしてほしい。今年の夏はどのチームが栄冠を手にするのか。開幕が待ち遠しい。